映画で一句!

アクセスカウンタ

zoom RSS 「『イングロリアス・バスターズ』で一句

<<   作成日時 : 2009/12/23 16:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

過激なバイオレンスシーンがいっぱいで「ひぃ〜〜」と眼を覆って字幕を観るだけということも多いのに、なぜか公開のたびに観ずにはおれないタラちゃんことクエティン・タランティーノ監督の作品。その最新作です。もちろんR-15指定。今回も「ひぃ〜〜」と眼を覆いつつ、観てまいりました。
第一章。舞台は第二次世界大戦中のフランス。ユダヤ・ハンターの異名を取るナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が、田舎のとある農家を訪ねている。この農家、実は床下にユダヤ人家族をかくまっている。ランダ大佐は、恐ろしい異名とは裏腹の穏やかな物腰で話し上手。しかし、その巧みな話術によって、床下にユダヤ人たちが潜んでいることを農夫に告白させ、一家をその場で銃殺してしまう。銃弾をまぬがれた娘ショシャナ(メラニー・ロラン)を除いて…。
ショシャナは、タラちゃんの前作『キル・ビル』で大活躍したユマ・サーマンに雰囲気がそっくり。しかも血まみれで逃走するところなんかも、彼の好みなんでしょうか。過激な復讐劇の予感です。
第二章。アドルフ・ヒトラーの元に“イングロリアス・バスター=名誉なき野郎ども”と呼ばれる連合軍の秘密部隊の手から逃れてきた部下からの報告がなされる。イングロリアス・バスターズのリーダーは、ユダヤ系アメリカ人のレイン中尉(ブラッド・ピット)。彼らは容赦なくナチスを暗殺し、殺したナチスの頭皮を剥ぐことを常としている。
嗚呼コワイ!ブラピが声も表情も作り込んで、老けた演技で役になりきってます。彼はつくづくイケメン役が好きじゃないんですねぇ。イケメンなブラピ好きのご婦人方はがっかりかもしれませんが、私はどちらかというとこういう挑戦的なブラピが好みです。
レイン中尉たちはフランスに潜伏し、今日も猛者の部下たちと、せっせと頭皮剥ぎ、もといナチス暗殺を続けています。一緒に観た家人いわく「死体(ナチスの)の頭皮を剥ぐシーンを、みかんの皮を剥いてるように淡々と見せちゃうところがイケてる」。そうなんです。だからかえって怖さが増すわ、面白いわの大混乱。
第三章。フランスのとある映画館。館主はミュミューという名の若い女性。ミュミューは、彼女に熱を上げるドイツ軍の若い兵士に付きまとわれ困惑の日々。しかしある日彼が、彼女の映画館でドイツ国威掲揚のための映画上映会をさせてほしいと依頼。ドイツの占領下にあるフランスで彼に逆らうこともままならず、ミュミューは仕方なく、ナチスの幹部たちが待つレストランへと挨拶へ赴くことに。その席には、ナチスの幹部ランダ大佐も在席していた。何となく様子のおかしいミュミュー。そう、ミュミューとは借りの名。彼女こそランダ大佐に家族を惨殺されたショシャナ。千載一遇のチャンスを逃がすまいと、自分の映画館で壮大な復讐を決意するショシャナですが…。
映画はどんな映画であっても、決して戦争賛美に終わってはいけないと思います。本作はタラちゃんらしい過激な表現も多く、一見、オモシロ戦争映画のようでもあります。真面目な人は眉をひそめるかもしれません。そして、おそらくタラちゃん自身も、戦争反対ということを生真面目に訴えようなんて少しも思っていないはず。たとえ思っていても口には出さないかも。
しかし、彼は怒っているのです。彼がこの世で最も愛する映画を、ナチスがプロパガダに使ったことを。ナチスは実際にたくさんの国威掲揚映画を製作し、レニ・リーフェンシュタール監督などの才能を見出しましたが、洗脳の意図をもって映画を利用したことは明らかです。
『パルプフィクション』や『キル・ビル』で描いたパーソナルな復讐劇から、思想としての復讐劇へ。彼らしい視点によって、見事な反戦映画に仕上がっている…なんて思ったのは私だけでしょうか。

十二月八日地球儀をひと廻し 磯ひよどり
〈季語は「十二月八日」(冬)〉



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「『イングロリアス・バスターズ』で一句 映画で一句!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる