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映画で一句!
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映画大好き、俳句修行中(俳句座☆シーズンズ所属)のコピーライターが、一句を添えて映画の感想を書き綴ります。
※感想内に〈ネタバレあり〉のものもありますので、ご了承ください。
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『トロン』で一句

2011/02/17 19:09
まったく更新してなかったけれど、年が明けて以来、映画はけっこう観ている。しかも、けっこうアタリ続きなのもうれしい限り
今年の初映画は『トロン』。なんとなく、3Dが売りの映画みたいで、気が進まなかったのだけど、3Dが売りならなおさら映画館で見ないと価値ないかな…的な気分でチェック。が、SF映画としてきちんと成立している一本だった。
で、変な話なんだけど物語がしっかりしていれば、2Dでも3Dでもけっきょく関係ないんだよね。SFの場合は、メカデザインなんかも完成度のポイントになるけど、そのあたりもうまかった。

未来都市未来のクルマ初映画 磯ひよ
〈季語は「初映画」(新年)〉


*「初映画」は俳句座☆シーズンズが提案している新季語です(一部歳時記には既に掲載中)。

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『南極料理人』で一句

2010/12/14 00:20
最近、『トイレット』でも触れた、フードスタイリストの飯島美奈さんのファン。テレビドラマの「深夜食堂」もすべて録画済み。料理の映像をみているだけでうっとりと幸せな心地になる…。
そして、飯島美奈さんファン必見の一本といえば「南極料理人」だ。
舞台は1997年の南極ドームふじ基地。南極といえば昭和基地しか知らなかったっが、ほかにもいくつか日本の基地があるそうで、この基地は、南極大陸の高度4000メートルの地にある。たださえ寒い南極の高度4000メートルゆえに、マイナス50度は当たり前という、想像もつかない温度。ウイルスすらいない極地中の極地である。
隊員は、気象学者などの極地研究員と、彼らをサポートする車両担当や医者たち。そして、主人公の西村くん(堺雅人)は、海上防衛庁出身の料理人。基地での三度の食事を賄っている。人はどこに暮らそうとも、食事を欠くことはできないのだ。
水の原料はたっぷりある(氷ですね)が、とかさなければ使えない。食品保存は冷凍が原則なので、生野菜などの冷凍できないものは不可。もちろん材料がなくなったから近所のスーパーへというわけにはいかない。気圧が低いため、ご飯は圧力釜で炊き、ラーメンは芯が残ってしまう。しかし、時には以前の越冬隊が基地に残したままの伊勢海老を発見し、なぜか巨大なエビフライをつくってしまったり…。
西村くんは、船上の調理環境とはひと味もふた味も違う特殊な環境のなか、単に腹を満たす食事を提供するのではなく、隊員を喜ばせる食事づくりを、と奮闘し続ける。
一年以上にわたる越冬隊の様子を、笑いと、ちょっぴりのシリアス、そしておいしい料理たっぷりでつづる一作。日本の食環境の豊かさや、贅沢さについてもおのずと考えさせられる一作だった。

極点に最も近き聖樹かな 磯ひよ
〈季語は「聖樹」(冬)〉
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『トイレット』で一句

2010/09/20 16:52
『かもめ食堂』(06年)が公開されたとき、何人かの方から「磯ひよさんぽい映画だね」と言われたことがあります。雰囲気のよろしい映画なので、言われてまんざらでもなかったものです。
『トイレット』は、『かもめ食堂』の監督・荻上直子さんの最新作。監督ならではのよろしい雰囲気に、さらに磨きがかかっておりました。
舞台はアメリカ(もしくはカナダ)。主人公は日本人を母に持つ、ロボットオタクの二男レイ。レイには、パニック症候群で引きこもり中の兄モーリー、ちょっと気が強めの妹リサがいます。父はすでになく、母も他界。そして、レイたちに残されたのは猫のセンセー、そして、母が日本から呼び寄せたばかりの母の母、つまりばーちゃんでした。
誰とも深いかかわりを持ちたくないレイは、一人暮らしをしていましたが、アパートが火事になり、仕方なく兄弟やばーちゃんと実家で同居することに。
ばーちゃんは、英語が全く話せません。しかも元々、他者とコミュニケーションをとるのが下手な3兄弟たち。レイはもちろん、他の兄弟も、ばーちゃんとの会話がはずみません。
でも、それなりにばーちゃんを気にしている彼ら。そして、レイは、毎朝トイレを済ませた後にばーちゃんが、長〜い深いため息をつくことに気付きました。溜息の原因を突き止めたいと思うレイ。そしてモーリーは、母の遺品であるミシンの使い方を教わるのをきっかけに、ばーちゃんとの距離を少し近づけることに成功。リサはある真夜中、ばーちゃんがエアギターのテレビを見ている場面に遭遇し、ばーちゃんがエアギター好きであることを知るのでした。
不器用ながら、少しずつ家族らしい絆が生まれつつあったある日、レイがこっそり行ったばーちゃんと自分のDNA鑑定の結果が届くのですが…。
荻上監督の映画には欠かせない、フードスタイリスト飯島奈美さんによる料理(今回は餃子)も、ばーちゃんと孫たちの絆を深める小道具として登場。そして、ばーちゃんを演じたもたいまさこは、今回も外国語が話せないのに重要なことは理解できる不思議な能力をそなえ、荘厳ささえ感じさせるたたずまいでした。あ、エアギター好きも『かもめ食堂』と同じですね。
自分自身も含め、世の中に馴染めないことにコンプレックスを抱いている人々を、そっと励ましてくれるような本作でした。

秋小鳥足踏みミシン手入れして 磯ひよどり
〈季語は「秋小鳥」(秋)〉

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『トイストーリー3』で一句

2010/09/11 15:48
おとぎ話の世界を堪能した108分。
劇場内は、クライマックスで拍手が湧きました。
ややワンパターン化しちゃった?の印象も無きにしも非ずですが、1、2のレベルを毎回期待するのは、贅沢というものなのかもしれませんね。おもちゃは、子供たちと遊ぶことが最高の幸せという確固たる信念が伝わりました。
元からモノが捨てられない性格のわたくし。ます、ますモノが捨てられなくなりそうです。
ウッディたちがいつまでも幸せでありますように

月明や待合室のぬひぐるみ 磯ひよ
〈季語は「月明」(秋)〉
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テレビシリーズ『ザ・パシフィック』で一句

2010/08/10 11:32
夕焼けて護国神社の裏しづか 飯田龍太

俳人の飯田龍太氏は、父・蛇笏氏の主宰誌「雲母」を継ぎました。たくさんの名句を残し、俳句史にしっかと名を刻んだ龍太氏ですが、ご当人としては、上のお兄さんが戦死や病死し、四男の自分が父の跡を継ぐことに複雑な思いもあったのでは?と時折考えてしまいます。
「日本の軍隊にも『プライベートライアン』みたいな仕組みがあったら(兄弟が戦死した場合生きている兄弟は、帰還させる)、龍太先生は「雲母」を継がなかったかもなぁ…。」
龍太ファンなので、そんなことはあってほしくないですが、ふとそんなことを思う8月です。そして、たとえ拙くても俳句で平和を願う気持ちを詠めたらな…と思うのであります。
『ザ・パシフィック』は、現在WOWOWで放映中のテレビドラマ。第二次世界大戦のなかの太平洋戦争を中心に描いています。製作陣は、スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクスなど、『プライベートライアン』に関わった映画製作者が中心です。
主人公のアメリカ人たちが戦うのは、太平洋戦争が舞台なので、もちろん日本人。だから「ジャップを皆殺しだぁ」といった、セリフも飛び出し心がざわつきます。対戦シーンでは日本兵(日本人が演じているかどうかは?)が殺され、戦闘後には、日本人らしき死体もごろごろ…。あれが自分の父や息子や弟だったらと思うと、さらに心中は複雑。ヨーロッパが舞台の戦争映画よりは、やや感情的にならざるをえません。
それでも、心底から怒りがこみ上げてこないのは、本作が、アメリカの正義や勝利を讃えるのではなく、戦争そのものの罪悪や悲惨さをテーマにしているから、だと感じました。
現時点で放映は4回目。まだ戦場シーンが多いですが、今後は帰還兵たちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにも迫るようです。
時代ともに、特に9.11以降は、戦争映画のテーマや描き方が、明らかに変わってきているような気がします。

終戦日路地に人影なかりけり
〈季語は「終戦日」(秋)〉


*巻頭句の季語は「夕焼け」(夏)です。

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『インビクタス負けざる者たち』で一句

2010/05/29 15:16
世の中的には今、南アフリカといえばワールドカップサッカー?でも、あまのじゃくの私は、南アフリカといえばネルソン・マンデラ氏です。
人種間でのあつれきがひどかった国を、ラグビーのワールドカップ優勝によって一つにまとめようとしたマンデラ大統領とその側近、そしてラグビー選手たちのお話です。
実話です。びっくりです。
クリント・イーストウッド監督は、どんな重い物語や暗い内容でも、爽やかに仕上げてしまうところがすごいなと思いますが、これは原作自体が相当爽やかなせいで、爽快感120%でした。
マンデラ大統領は、27年間もの長い間、政治犯として自分を幽閉しつづけた白人を、赦すという大きな心を得ます。そして、幽閉の間、氏を支えたのが「インビクタス」という一篇の詩でした。
マンデラ大統領を演じたのは、モーガン・フリーマン。なりきってました。
今年、アカデミー主演男優賞を逃しましたが、これは既に彼が助演男優賞の受賞者だったことや、心情的に今年は別の男優へ贈りたい的なムードがつよかったことなどのせいで、彼の演技力のせいではありません。
エンドロールで本物のマンデラ大統領の写真が出てくるんですが、「ア、そっくりさん?」と思ってしまったのは、きっと私だけではないと思います。
残念ながら、今の南アフリカは、あまりよい状態とは言えないよう。ワールドカップサッカーを機会に、再び国が一つになることを目指してくれたらな、などと思う磯ひよなのでありました。

夏の霜一篇の詩を諳んじて 磯ひよ
〈季語は「夏の霜」(夏)〉
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『アリス・イン・ワンダーランド』で一句

2010/05/19 08:50
五月の吟行で日比谷公園を散策してきました。
句材が豊富で困ってしまうくらい。でもやっぱり一番印象的だったのは薔薇でした。

さて奇才ティム・バートンの描いたアリス観てきました。2Dで。イマジネーション豊かなアタクシに立体映像は不要ですわ、ではなくて3Dが満席だったのよ。
初夏の季語で本作を詠むとしたら「薔薇」以外ないよなぁ
で、句としては、どうにもこうにも低レベルなんですが、こんな句できちゃいました
まっ、更新しないよりはましってことで…。
一見ひ弱そうで、実は頑張り屋さんなアリスが、微笑ましかったデス。演じたのはミア・ワシコウスカというこれから売れていきそうな予感の新進女優。この透明感をずっと保ってほしいです。
二人の女王役もナイス白の女王役のアン・ハサウェイなんて、特殊メイクいらずって感じで役にはまってました。
マッドハッターは、「ジョニー・デップが演らなくていいんでないの?」っていうくらい好演。
チェシャ猫は、実家に入り浸っているよそのお宅の猫「もうちゃん」にそっくりで可愛かったぁ
ティム・バートン監督やっぱり凄いです。

薔薇を散らして女王様のやつあたり 磯ひよ
〈季語は「薔薇」(夏)〉
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『ハートロッカー』で一句

2010/03/27 13:21
こんなに手のひらに汗をかくなんて初めての体験。『ハートロッカー』です。何度も書いている通り、人一倍ビビりな性分のわたくし、イラクに駐留する爆弾処理兵のお話なんて緊張で心臓止まっちゃうかも、とビクビクしながら劇場に足を運びました。
なぜ、そんなにまでして観に行こうとしたのか?それは本作が今年のアカデミー賞で、監督賞や作品賞を受賞で、しかも監督賞は女性初というオマケ付き!恋愛映画や、華やかな物語ではない点も興味をそそり、なんとしても観たかったのです。
舞台は2004年のイラク。イラクに駐留するブラボー隊に、新たな兵士ジェームズ(ジェレミー・レナー)がやってきます。彼は爆発物処理を専門とする兵士で、今回もブラボー隊の爆弾処理兵が作業に失敗して被弾死したため、再びの現場復帰となったのです。
どこか型破りなジェームズは、相棒のサンボーン軍曹やエルドリッジとのチームワークが今いち。しかし、困難な爆弾を次々に処理してしまうジェームズ。ぎくしゃくしつつも日々、確実に任務をこなす彼ら。彼らの場合、任務に失敗すれば確実に死へつながってしまいます。爆発物処理には特別な訓練を受けた相当優秀な兵士が当たるそうですが、死亡率は他の任務に就いている兵士より圧倒的に高いそう。自爆テロといったニュースが今も少なからず飛び交っていることを思うと、イラクではこんな風に活躍している兵士が、今もいることに胸がふさぎます。
彼らが街頭で不発弾処理などをしていれば、野次馬が集まるのは世界共通。しかし、その野次馬が怖い。誰がアメリカの味方で、過激派が誰で、誰が敵だかわからないからです。
第二次世界大戦が終わった頃の日本にも、たくさんのアメリカ兵が駐留していました。そして、ときにはアメリカ兵が日本女性を暴行したり、あるいは怒りに暴走した日本人たちがアメリカ兵が嬲り殺した等の話も聞いたことがあります。でも、一方で「ギブミーチョコレート♪」的な前向きな話も沢山あります。
ところが、イラクではどうでしょう?イラクの人々はアメリカ兵を必ずしも快く受け入れていません。また、そうした街の人々の雰囲気が、アメリカ兵をますます恐怖心をかりたて、必要以上に凶暴なふるまいをさせてしまうのでした。
!attention!以下、ちょっとネタばれです
日々、死の恐怖にさらされるアメリカ兵。それでも彼らは平和のため?イラクのため?アメリカのため?に任務を続けます。そんな日々を乗り越え、ブラボー隊での兵役を終えたジェームズ。しかし、アメリカの平和な日々で彼が感じたものとは…。
本作は、予告編だけを観たりしていると、爆弾処理班の活動を描くハラハラ、ドキドキな映画のよう。しかし、実は深くて、重い人間ドラマなのでした。主人公のジェームズが、スーパーヒーローに見えないあたりにリアティがあり、ますます考えさせられてしまうのでした。

俳人に召集の日々冴返る 磯ひよどり
〈季語は「冴返る」(春)〉




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3D映画初体験『アバター』で一句

2010/01/30 15:37
『アバター』ね、ずっと観たくなかったんです…。
その理由第一位
3Dが苦手。随分むかし、千葉にあるネズミの国のアトラクションで3Dを体験。元々ビビリ体質の自分は、ショーの後半からほとんどパニック状態。それ以来、ワッと飛び出す画面が大の苦手となる。
その理由第二位
予告編を観ても惹かれなかった。SF映画に仕立ててあるが、アクション重視のお手軽ストーリーでは?と認識。
その理由第三位
同じく予告編を観て、異星人のナヴィが不気味。CG画像特有ののツルリンとした質感に爬虫類っぽい柄が、好きになれなかった。
が、以下の諸事情によりついに意を決して劇場に!
その理由第一位
監督がジェームズ・キャメロンだから。『エイリアン』、『ターミネーター』、『タイタニック』等など。この監督の作品で面白くないわけがない。監督を信じます!の気持ち。
その理由第二位
大好きな映画『トイストーリー』が3D映画になって再映されるという情報を入手。これはなんとしても3Dに馴れておかねばと焦りを感じる。そして映画好きとしても、もはや3Dは避けて通れまいと、悲壮な決意を固める。
その理由第三位
最近、通っている映画館の割引ディで時間帯の合う作品の中で、一番気になる作品だったという、ちょっと消去法的な選択。

で、結果、いやぁ〜〜やっぱり観ておいて良かったです。予告編では上手く伝わってない気がするけど、これはじつにしっかりした生きものたちのドラマ(ナヴィも関わるので人間ドラマとは言わない)。実に深くしかも正統派のSF作品であります。
他の星を侵略し、原住民を一掃してまで異星の鉱物資源を手に入れようとする地球人のエゴが描かれていました。
そして、そんな地球人の醜さをいっそう際立たせるのが、ナヴィたちの謙虚な生き方。同じ星パンドラに住む翼竜のような他の生きものをはじめ、食用にする生きものにも深く敬意を払いながら暮らしています。初めは気持ち悪いと思っていたナヴィの姿が、物語が進むにつれて美しいものに感じてくるから不思議です。
地球人がナヴィたちを侵略する姿は、かつて白人たちがネイティブアメリカンにしたのとまったく同じで、そういうアメリカの負の生い立ちを連想させるお話を、アメリカ人自らが映画にしちゃうあたりもすごいなぁと思いました。
さて、一番の不安材料だった3Dはというと…。劇場の入り口で専用のメガネを渡され、メガネをかけている自分の場合、メガネ・オン・メガネの姿がおまぬけだろうなあと上映開始前にプチブルー。しかも本編が始まると、頭囲が小さいせいもあり、手でメガネを支えてないと画面がきれちゃうので、ちょっと困りました。
が、映像そのものは、画像が飛び出てビックリということはほとんどなく、むしろ奥行きのある映像を楽しむことができました。水しぶきや火の粉といった繊細なパーツは見事に飛び出てきましたが、とても美しくてナイス時折、字幕まで浮遊しちゃうのには笑えたけど(もしやワザと?)「なるほど3D映画にはこんな表現の仕方もあるのね」と感心なのでありました。
主人公のジェイクを演じたサム・ワーシントンが、アバターの世界に生きる喜びを見出し、現実世界でドンドン痩せ細っていく姿も、すごかった。シガーニー・ウイーバーが出演していたのも嬉しいサプライズ。最初の登場シーンもポッド式のベッドみたいなところから出てくるところがでなんとなく『エイリアン』ちっくで妙に懐かしいのでありました。
ところで『トイストーリー』。きっとウッディやバズ達がビュンビュン飛び出てくるんだろうなぁ。まっ良いか
今回はどういうわけか顔文字たっぷりの文章でした。

青鷹なにか告げむと天を舞ひ 磯ひよどり
〈季語は「青鷹(もろがえりと読みます)」(冬)〉








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「『イングロリアス・バスターズ』で一句

2009/12/23 16:48
過激なバイオレンスシーンがいっぱいで「ひぃ〜〜」と眼を覆って字幕を観るだけということも多いのに、なぜか公開のたびに観ずにはおれないタラちゃんことクエティン・タランティーノ監督の作品。その最新作です。もちろんR-15指定。今回も「ひぃ〜〜」と眼を覆いつつ、観てまいりました。
第一章。舞台は第二次世界大戦中のフランス。ユダヤ・ハンターの異名を取るナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が、田舎のとある農家を訪ねている。この農家、実は床下にユダヤ人家族をかくまっている。ランダ大佐は、恐ろしい異名とは裏腹の穏やかな物腰で話し上手。しかし、その巧みな話術によって、床下にユダヤ人たちが潜んでいることを農夫に告白させ、一家をその場で銃殺してしまう。銃弾をまぬがれた娘ショシャナ(メラニー・ロラン)を除いて…。
ショシャナは、タラちゃんの前作『キル・ビル』で大活躍したユマ・サーマンに雰囲気がそっくり。しかも血まみれで逃走するところなんかも、彼の好みなんでしょうか。過激な復讐劇の予感です。
第二章。アドルフ・ヒトラーの元に“イングロリアス・バスター=名誉なき野郎ども”と呼ばれる連合軍の秘密部隊の手から逃れてきた部下からの報告がなされる。イングロリアス・バスターズのリーダーは、ユダヤ系アメリカ人のレイン中尉(ブラッド・ピット)。彼らは容赦なくナチスを暗殺し、殺したナチスの頭皮を剥ぐことを常としている。
嗚呼コワイ!ブラピが声も表情も作り込んで、老けた演技で役になりきってます。彼はつくづくイケメン役が好きじゃないんですねぇ。イケメンなブラピ好きのご婦人方はがっかりかもしれませんが、私はどちらかというとこういう挑戦的なブラピが好みです。
レイン中尉たちはフランスに潜伏し、今日も猛者の部下たちと、せっせと頭皮剥ぎ、もといナチス暗殺を続けています。一緒に観た家人いわく「死体(ナチスの)の頭皮を剥ぐシーンを、みかんの皮を剥いてるように淡々と見せちゃうところがイケてる」。そうなんです。だからかえって怖さが増すわ、面白いわの大混乱。
第三章。フランスのとある映画館。館主はミュミューという名の若い女性。ミュミューは、彼女に熱を上げるドイツ軍の若い兵士に付きまとわれ困惑の日々。しかしある日彼が、彼女の映画館でドイツ国威掲揚のための映画上映会をさせてほしいと依頼。ドイツの占領下にあるフランスで彼に逆らうこともままならず、ミュミューは仕方なく、ナチスの幹部たちが待つレストランへと挨拶へ赴くことに。その席には、ナチスの幹部ランダ大佐も在席していた。何となく様子のおかしいミュミュー。そう、ミュミューとは借りの名。彼女こそランダ大佐に家族を惨殺されたショシャナ。千載一遇のチャンスを逃がすまいと、自分の映画館で壮大な復讐を決意するショシャナですが…。
映画はどんな映画であっても、決して戦争賛美に終わってはいけないと思います。本作はタラちゃんらしい過激な表現も多く、一見、オモシロ戦争映画のようでもあります。真面目な人は眉をひそめるかもしれません。そして、おそらくタラちゃん自身も、戦争反対ということを生真面目に訴えようなんて少しも思っていないはず。たとえ思っていても口には出さないかも。
しかし、彼は怒っているのです。彼がこの世で最も愛する映画を、ナチスがプロパガダに使ったことを。ナチスは実際にたくさんの国威掲揚映画を製作し、レニ・リーフェンシュタール監督などの才能を見出しましたが、洗脳の意図をもって映画を利用したことは明らかです。
『パルプフィクション』や『キル・ビル』で描いたパーソナルな復讐劇から、思想としての復讐劇へ。彼らしい視点によって、見事な反戦映画に仕上がっている…なんて思ったのは私だけでしょうか。

十二月八日地球儀をひと廻し 磯ひよどり
〈季語は「十二月八日」(冬)〉



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「『THIS IS IT』で一句

2009/12/05 14:06
特別なファンというわけではなかったけれど、予告編を観て「コレは観ておくべき!」と直感。マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』。
本作を観るまで、マイケルの歌もダンスも、そして存在感にも現実味が無いというか、凄過ぎて本当の凄さが良くわかってかなったんだなぁとつくづく実感。キング・オブ・ポップのキング・オブ・キングたる姿を堪能した。
幻となってしまったロンドン公演のリハーサルのドキュメンタリー映像には、リハーサルだからこそ見ることのできる、人間マイケル・ジャクソンの姿が。でも歌とダンスはほぼ完璧。足の動きも、ステップも、シャウトも、ハミングも、本当にかっこよかった。
観ている間、劇場のシートがやたらと揺れたのがちょっと泣ける体験。たくさんの人が映像と一緒にリズムをとっていたからだったのである。それに映画が終わったあと涙を流しているが、あまりにも多かったのも印象的だった。
亡くなることによって、より多くの人(自分みたいな今まで熱烈なファンでなかった人)にその素晴らしさを知られることになるなんて皮肉だけれど、それもまたスターの証なのかもしれない。

リハーサル熱気を帯びる師走かな 磯ひよどり
〈季語は「師走」(冬)〉


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アメリからココへ『ココ・アヴァン・シャネル』で一句

2009/10/28 19:38
オープニング。キャストや監督を紹介するするテロップがフランス語であることに安心する。やはりこの人の人生を描くならフランス映画でなきゃ。この人とは、ココ・ガブリエル・シャネル。ココを演じたのはフランス女優オドレイ・トトゥ。『アメリ』で魅せたオタク系乙女がココになりきっていて圧巻。
映画を観終わってからも、「これはフランス映画製作で正解」とあらためて納得。なんというか、現代の日本人にはなかなか理解しかねる、フランス的価値観がいっぱいだったのだ。
例えば、若き日のココ(オドレイ・トトゥ)が、歌手を目指していた頃に出会った貴族のエティエンヌ。彼には莫大な財産があり、働く必要がまったくない。働くという行為をさげすみ、自分自身は取り巻きや愛人と、いかに楽しく遊び暮らすかだけを考えている。住まいだって本物の城だ。
ココもエティエンヌと行きずりの恋に落ち、その後おそらく大して彼を愛してもいないだろうに、彼をたよって押しかけ愛人というか居候をきめてしまう。この自己主張の強さ、厚かましさも「ええっ?」という感じだったが、「フランスならOKかも」と妙に説得力があり、納得してしまうのだ(この強さはココの個性という気もするが・・・)。
「あと3日で出て行けよ」のなんのといいながら、ココの居候を許してしまうエティエンヌ。ココは貴族の女性が着る窮屈なドレスを嫌い、エティエンヌのジャケットを勝手にリフォームして自分の乗馬用ジャケットにしてしまったりと、観ている方がぎょっとすることもやってしまう。が、そうしたココの生意気な物言いやユニークな言動は、いつのまにかエティエンヌの心をしっかりつかんでしまう。そして、城に出入りする女性たちの間でもココの作る洗練されたデザインの帽子が評判となる。上流階級の人々や女優と交流することにより、ココの中に眠っていた鋭い感性と才能が徐々に花開きはじめる。
ココが本当の恋に落ちたのもエティエンヌの友人だった。男の名はイギリスの実業家アーサー・ボーイ・カペル。働くことのを尊さを知っており、あらゆる価値観がココと一致することもあり互いに強く惹かれあってゆく。しかし、事業での成功を目指すアーサーは、大企業の令嬢との政略的な結婚を決めているのだった・・・。
嘘のようにドラマチックな人生。しかしこれ等のエピソードは本当にあった出来事ばかり。ココ・シャネルという人は、デザイナーとしての偉業はもちろん、その人生までもが歴史に刻まれるように生きた人のように思えて仕方がなかった。

身に沁むや夜のアトリエに絹を裁つ 磯ひよどり
〈季語は「身に沁む」(秋)〉

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『くるねこ大和』で一句

2009/10/02 20:09
今回は番外編。映画ではなくブログです。

現実逃避したいとき、ついつい見てしまう猫ブログ『くるねこ大和』
ブログを元にしたコミック本も大ヒット、近畿地区ではアニメも始まりました。
ううっアニメ見たいよぉ〜〜。
猫ブログの中には、飼い猫の可愛さアピール中心のものが多いように思いますが、
くるさんのはひと味違います。
とにかく笑える!カワイイ!そして、猫を飼ったことのある人ならだれも
「ある、ある、うちの猫もこんなことする!!」のあるあるネタで共感できます。
そして何より、猫かわいがりでなく、大切な命として扱ってる感じがひしひしと伝わってきます。
里親募集の協力などもされていて、本当に頭が下がる思い
ワタクシは近所で猫を餌付けしてた家が、猫をほったらかしのまま引っ越してしまい、
すごく悲しい気持ちだったけど何もできなくて、
自分のふがいなさにけっこう滅入っていただけに、尊敬の念もひとしおです。

猫好きの方、そして猫を飼いたいという方(但し大切に飼う決意のある方)も
ぜひぜひアクセスを。

窓辺より猫動かざる野分かな 磯ひよ
〈季語は「野分」(秋)〉


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ハンガリーから来た映画『人生に乾杯』で一句

2009/09/14 20:30
東欧の小さな国ハンガリー。主人公は老夫婦エミルとヘディ。今から50年ほど前、ヘディは伯爵令嬢という地位を捨て、労働者階級のエミルと駆け落ち同然に結婚。しかし、今の二人はどこか冷めている様子。そんな二人のもとへ、ある日借金取りがやってきます。どうやら現代のハンガリーでは、東欧革命などの影響もるらしく、年金だけでお年寄りが生活するのには、かなり無理があるようです。
返済の替わりに、貴族令嬢の誇りともいえるダイヤのリングを差し出すヘディ。それに衝撃を受けたエミルは、愛車チャイカに乗り家出を決行。そして、ギックリ腰をものともせず、銀行強盗という暴挙に及びます。ニュースでそれを知り、警察に協力しようと思うヘディですが、いつしか、エミルの大胆な行動に心のトキメキを感じはじめていたのです。それは二人の間に起こったある事件以来、忘れていた感情でした・・・。
老人夫婦の愛と笑いの逃避行。腕っ節はたちませんが、なぜか強盗は成功を重ねるばかり。そして、二人の行動はいつしか、国の年金制度に不満を抱える人々から支持されるように。また、二人を追う敏腕女刑事アギと、彼女の部下であり恋人でもあり、ちょっと不器用なアンドルの心にも影響を及ぼすようになっていくのです。
日本からは遠い遠い国だけど、人が人を愛する気持ちや人を思いやる気持ちは日本人とまったく同じ。とってもあったかな気持ちになることができる一作でした。
東京公開は6月で、実は私が観たのも7月頃のこと。でも、評判が評判を呼び、今も細々と地方巡回中の模様なので取り上げてみました。詳しくは公式サイトへ!

秋彼岸夫婦茶碗を重ね置き 磯ひよどり
〈季語は「秋彼岸」(秋)〉

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ついに完結『20世紀少年』3部作

2009/09/12 12:58
とにかく更新!書くことに意義があるのだ(かも)そんなわけで、ショートバージョンです。
観終ったあと、まず思ったのは「ついに終った」という感慨でありました『20世紀少年-最終章-ぼくらの旗』。
でも、映画としては、第一章、第二章の方がおもしろかったかなぁ。まっ、前作までを観ていて最終章を観ない人はそんなにいないでしょうから、3部作まとめて、日本映画でもこんなにスケールが大きい面白い作品できるのだなと、思えたことが嬉しかったです。
監督や原作者は物語後半のコンサートがクライマックスみたいなこと言ってたけど(主要製作陣は、ロック好きな方ばかり)、私にはピンと来ず残念。このシーンについては、好き嫌い分かれそうな気がしました。
私的には、やっぱり“ともだち”が、なぜ“ともだち”になったのかについての映画オリジナルの謎解きがけっこうよかったです。
拙句は、私がクライマックスだと思ったシーンから。巨大ロボットが登場して2017年の東京を暴走しまくるなか、
ともだちが再現したと思われる秘密基地を踏むまいとする姿に感動しての一句であります。

秘密基地守るごとくに昼の虫 磯ひよどり
〈季語は「昼の虫」(秋)〉


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M・ローク復活?『レスラー』で一句

2009/07/18 14:01
ミッキー・ローク。オーバー・ザ・アラフォーの方々なら、映画好きではなくても彼のその輝きっぷりは記憶にあるんじゃないでしょうか。まったくもって磯ひよの好みではありませんでしたが、1980年代のそのスターぶりは確かにすごかった。
そして、その落ちぶれっぷりもすごかった猫パンチのボクシングを披露して、いっきに“あの人はどこへ?”的なポジションになっていったのでした。
その後、彼を銀幕で観たのは、コッポラ監督の『レインメーカー(97年)』。悪徳のようでいて、でも新人弁護士(マット・デイモン)の成長を支えるベテラン弁護士といった役柄で(ちょっと記憶があいまいでス)、意外とよい感じになっていたのでおやっと思ったものです。
そしてついに彼が本領を発揮できる映画『レスラー』が生れました。プロフィールによれば、青年時代、役者デビューするまでは本当にボクサーだったそう。元々は気取った優男なんて演じるタイプではなかったようです。
本作の主人公ランディ(ミッキー・ローク)は、かつて全米を熱狂させたプロレスラー。20年以上も現役を続け、今でも若手レスラーから尊敬を集めています。しかし、その肉体はすでにボロボロ。人気スターの座からも遠のき、レスラーとしての収入は、衣裳代や肉体を維持するための薬品に費やされ、生活費はスーパーのアルバイトで細々とまかなう日々です。
小さな町でのレスリング興行。選手控え室で若手レスラーが試合運びを相談しに来ます。ごっつい男どものなんと繊細で優しいこと。そしてランディへのリスペクトあふれるやり取りに心が温まります。しがないトレーラーハウス暮らしでも、自分にはレスリングファンや後輩や仲間がいる。それがランディの支えです。
しかし肉体はついに悲鳴を上げ、心臓発作で生死の境をさまようことに。マットに立つことを医者から止められたランディは、孤独に打ちひしがれます。近所のクラブで馴染みのストリッパー、キャシディ(マリサ・トメイ)に自分の居場所がなくなってしまったことを愚痴ると、キャシディは家族に会いに行ったら?と提案。実は彼には一人娘がいたのです。しかし、家庭を顧みることのなかった彼の元から妻と娘は去り、今は絶縁状態なのでした。
キャシディに背中を押され娘に会いに行くランディですが、案の定すごい拒絶をされます。それでもキャシディのアドバイスにしたがい娘へのコンタクトを重ね、娘もようやく心を開いてくれるように。そして、親身になってくれるキャシディへも心をときめかせるランディ娘との再会やキャシディとのふれあいに安らぎを見出したランディは、レスラーをきっぱり引退し、新たな人生を歩みだそうとします。
しかし、シングルマザーであるキャシディは、子どもとの生活を何よりも大切にしたいと願っていてランディの気持ちを受け入れることができません。さらには、娘との大切な約束をすっぽかすというヘマをやってしまい、再び娘からも見放されてしまうことに。
孤独の只中に放り込まれたランディは、命の危険を顧みることもなく再びマットに立つ決意をするのですが…。
繰り返し言いますけど、決してミッキー・ロークファンではないんです。でもね、なんだかランディとミッキーがぴったりと重なってしまい感動五割増しでした。
なお、本作でミッキーはアカデミー主演男優賞候補に、そしてキャシディ役のマリサ・トメイも助演女優賞候補になりました二人ともとにかく裸体をさらすシーンが多く(マリサなんてハダカのシーンばっかりだ)ごまかしがきかないって感じで、これも見応えあり!す。

兜虫強さを誇ることもなく 磯ひよどり
〈季語は「兜虫」(夏)〉


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ゆるっと京都ガイド映画?『鴨川ホルモー』で一句

2009/06/08 18:11
京都ロケがいっぱい、そしてテレビ化でけっこう話題になった「鹿男あをによし」と原作者が同じ万城目学さんということで『鴨川ホルモー』をチェック。
物語は、二浪して京大生となったものの、今にも五月病になりそうな主人公・安倍明(山田孝之)が、「京大青龍会」なる不思議なサークルに入り、そこで京都で1000年も続いているという祭り“ホルモー”の担い手になるというもの。ホルモーとは、オニと呼ばれる式神(む、式神の一発変換ができないとは!日本のパソコンなのに)を操って行う格闘競技のことで、現在は、立命館、龍谷、京都産業、そして京都大学の四大学対抗で行われているらしい。
オニを操る訓練をはじめる安倍達だが、一向にオニの姿は見えず…。「なんだこのサークル?」と思いつつも、同じ一回生の美女・早良京子目当てで、ホルモーの特訓に通う安倍。サークル仲間には、安倍と親友のつもりで何かとつきまとってくる日本オタクの帰国子女・高村幸一や、理系の堅物メガネ女子・楠木(栗山千明)、双子の兄弟(斎藤祥太・慶太)などがいる。

実ざくらや恋の鞘あて始まつて 磯ひよどり

やがて季節は秋。ある夜、一回生たちは先輩の菅原(荒川良々)から、京大近くの吉田神社に呼び出される。厳粛な雰囲気のなか、突如“レナウン娘”を歌いながらハダカ踊りをする菅原たち。最初はあっけにとられる一回生たちだが、いつの間にかトランス状態が広がり、その踊りの輪にみんな加わるのだった(この間、女子部員は神社の石段下で待機)。これこそホルモーの代替わりの儀であり、無事儀式をおえた安倍たちの周りには無数のオニがまとわりついているのだった。
ホルモーは本当にあった。オニが見えるようになった安倍達に、もはや疑いの余地はない。デビュー戦に向けていよいよ特訓が白熱するのだが…。
なんとも奇妙奇天烈なお話です。でも、もしかしたらそんな祭りがホントにあるのでは?と思わせるあたりが京都の深さ(かも)。
惜しむらくは、メインキャストの大半が若手俳優で、そのフレッシュさに好感が持てたものの、全体に演技力不足。ギャグこそ演技のうまい役者でないとイカン!!と思っているワタクシとしては、たいへんに残念でありました。
あ、栗山千明さんは別です。世界のタランティーノ監督も認めた美少女が、見事にさえない女子大生になりきり。しかも一見かわいげのない理系女子が胸の奥底に秘めている恋心も上手く表現していました。さすがであります。美人女優が伊達メガネや付け鼻でブスキャラをやるって嫌味だぁ〜とひがみつつも彼女の魅力を再確認いたしました。
劇中には、葵祭や大文字焼きといった京都の風物詩、そして洛中や鴨川近辺の景色もたっぷり。後半には京都中がホルモーの戦いの舞台となり、なかなか予想外に京都を堪能できました。
そして、体力と時間だけは無限にある…ような気がした、学生時代の日々が懐かしくなる一本でした。

夏柳祗園舞妓に道ゆづり 磯ひよどり
〈季語は「夏柳」(夏)〉

*文中の俳句の季語は「実ざくら」(夏)です。






鴨川ホルモー 凡ちゃんオニ
吉徳

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『ワルキューレ』で一句

2009/06/04 18:48
映画はけっこう観ていたんですが、まったくブログが進んでいませんでした(~_~;)
そんなわけで、随分さかのぼります。
今春公開された『ワルキューレ』は、第二次世界大戦中にあったヒトラー暗殺計画〈ワルキューレ作戦〉を映画化した作品です。
第二次世界大戦中、日本軍人の中にも軍国主義を善しと思わない人がたくさんいたように、ドイツにもナチス政権は正しくないと思い、それを倒そうとする軍人がいたんですね。考えれば当り前のことではあります。映画で描かれるナチス政権下のドイツって、みんなヒットラーに心酔している狂気の姿ばかりだったような…。でも、本当はそんなことはなかった。実際、ヒトラー暗殺計画は何度もあったそうです。
主演はトム・クルーズ。ヒトラー暗殺計画〈ワルキューレ作戦〉の中心人物だった実在の人物、シュタウフェンベルクというドイツ人将校になりきっていました。やっぱり演技うまいです。
ドイツのお話なのにみんなが英語を話しているというのだけが、妙におかしかったですが、テンポも良いし、適度なハラハラ感もOK。渋々な作品ながら見応え十分でした。

蚊遣火や蓄音機よりワルキューレ 磯ひよどり
〈季語は「蚊遣火」(夏)〉

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『チェンジリング』で一句

2009/03/26 22:05
子を思ふ雉子は涙のほろろかな 貞徳
手持ちの歳時記によると雉はとても子への愛情が深いそうな。まぁ大抵の野鳥はそうですな。そして人間も。そんな母の愛がひしっと伝わってくるのが『チェンジリング』でありました。
1920年代後半のロサンゼルス、クリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は電話局でキャリアウーマンとして活躍しながら息子のウォルターを女手ひとつで育てている。とある土曜日、急な休日出勤をしたクリスティンは急いで帰宅するが、家にウォルターはいない。近所を一晩中さがしまわるクリスティン…。しかしウォルターは見つからなかった。
そして5ヵ月後、警察から息子がみつかったという知らせを受け、駅に迎えに行くが、現われたのはまったく別の少年。「この子は私の息子ではない」と毅然と主張するクリスティン。
しかし、警察はクリスティンをまったく相手にせず、挙句には「精神的に混乱している」と、彼女を精神病院へ送ってしまうのだった。警察に裏があるのは明らか。そして、そうした警察の腐敗ぶりを公に批判し続ける長老教会の牧師(ジョン・マルコビッチ)たちが、彼女を救い出そうと動き出すのだが…。
絶望、闘い、希望、またもや絶望、闘い、希望の繰り返しのストーリー。最後の最後までウォルターがどうなってしまったのか想像がつかず目が離せませんでした。
しかし、何よりもすごいのは、この映画が実話を元に作られているということ。「息子は生きている、そして何時かきっと帰ってくる」と信じ続けるクリスティンの姿にうたれました。
この映画の配役を初めて知った時は、「ん?あのかっこいいアンジーがか弱いヒロイン役?」と思ったものです。が、それは大きな勘違い。エレガントでいながら強い主人公クリスティンはまさにはまり役でした。
クリント・イーストウッドの映画らしく、決して派手ではないですが、見終わってから長く長く余韻を残す一本です。

春コート路面電車に飛び乗りぬ 磯ひよどり
〈季語は「春コート」(春)〉

*冒頭の句の季語は「雉子」(春)です。



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『20世紀少年−第2章−最後の希望』で一句

2009/03/06 18:51
映画界ですっかり定着した感のある三部作公開スタイル。でも、「三部作のまんなかってけっこう面白くないのよね」が磯ひよの持論でした。
ところが『20世紀少年−第2章−最後の希望』良かったです。第1章よりさらに面白かった。

時は2015年。2000年に起こった「血の大みそか事件」から人類を救った “ともだち”が救世主として崇めたてられている。そして、それが嘘であることを知っているのはほんのひとにぎりの人々。高校生になったケンヂの姪カンナもそんな一人。原っぱの仲間のひとりユキジ(常盤貴子)の元に身を寄せ、ケンヂおじちゃんの潔白と無事を信じながら日々を過ごしている。
そして、老年にさしかかった原っぱの仲間達。ちりぢりになりながらも、ケンヂの潔白をはらす機会をさまざまなカタチでうかがっていた。
2015年といえば、ほんの数年後。“ともだち”に心酔する人々のありさまが人間の弱さを露見しているようで怖い。そして血の大みそか事件の中心地だった新宿では、“ともだち”主催による万博博覧会が開かれようとしている。その会場は、1970年に開催された大阪万博の会場に酷似しているのだった…。

新たな敵、新たな味方、そして新たになる子供時代の出来事。謎が深まる一方で、いくつかのメッセージが感じられました(言葉にするとあまりにもピュアで照れるので書きません)。
カンナ役の平愛梨は大女優になる予感。実は第1章の最後で彼女が登場した時、「えぇ〜第2章はいきなりカワイコちゃん大活躍で興行収入アップをねらうわけぇ?それってどうよぉ」と思ったのです。ところが、ところが、愛梨ちゃんの一所懸命ぶりとカンナのひたむきさが合致し、実に魅力的なカンナ役を好演。実力俳優のみなさんと互角に頑張っておりました。カワイイ女子というだけで反発してしまったお局的な自分を反省です。
それにしても第3章の公開は8月29日とは。早く編集を終えて、公開を前倒しにしてほしいです!!

啓蟄や太陽の塔ぬつと立ち 磯ひよどり
〈季語は「啓蟄」(春)〉





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