アクセスカウンタ

プロフィール

ブログ名
映画で一句!
ブログ紹介
映画大好き、俳句修行中(俳句座☆シーズンズ所属)のコピーライターが、一句を添えて映画の感想を書き綴ります。
※感想内に〈ネタバレあり〉のものもありますので、ご了承ください。
zoom RSS

『僕のエリ 200歳の少女』で一句

2012/09/17 17:53
吸血鬼映画ですホラーなシーンも出てきます。しかも、主人公はいじめられっ子で、途中でかなり辛い場面もあります。が、なぜか後味は『小さな恋のメロディー』ばりに爽やかなのが『僕のエリ200歳の少女』(2010年公開)です。そして、爽やかなのにハッピーエンドと言い難いところも似ているかもしれません。
でもって吸血鬼映画です子供のころに観た吸血鬼映画は只々怖かった。が、大きくなるに連れ、萩尾望都さん作のコミック『ポーの一族』や、映画なら『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイヤ』や『ブレイド』シリーズなど、死ねない吸血鬼の哀しさに焦点を当てた物語に魅了されるように。本作もそんな期待に応えてくれる一本でした。
パンフレットがないので、ストーリーは、うろ覚えですがざっとこんな感じです。
ストックホルムのとある街。オスカーは、孤独ないじめられっ子。母親は、夫との離婚協議のことで頭がいっぱいで、オスカーが学校で陰惨ないじめの対象になっていることにも気付かない。
夜、住んでいる団地の庭で、強くなった自分を演じ、いじめっ子に復讐する場面を夢想するオスカー。そんなオスカーのところに、隣に引っ越してきたという少女エリがやってくる。エリは地面に雪が積もっているような夜だというのに裸足。学校も私立校にでも行っているのか、転校したという話も聞いていない。家族もお父さんだけのようだが、オスカーは、エリのミステリアスな雰囲気にも惹かれ好意を抱くようになる。
出会いの時こそ「君とは友達になれない」とオスカーにすげなくするエリだが、徐々に二人は親しくなる。
その頃、街では、不思議な殺人事件が起きていた。やがてその殺人事件にエリとその父親が関係していることを知り、エリの最大の秘密も知ってしまうオスカーだが…。
ちなみに、本作はアメリカでもリメイクされていて、こちらもおススメ。アメリカでのリメイクにしては、湿度の高い本作の流れを尊重しています。そのタイトルは『モールス』と言い、どうやらこちらが原作と同じタイトルらしいです。

バスタブに湯と月光を満たしけり いそひよどり
〈季語は「月光」(秋)〉


ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント
2011-02-04

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


猛暑日に敢えて観たい・その2『プリンセストヨトミ』

2012/09/03 18:56
『プリンセストヨトミ』(2011年公開)
とある夏。東京から大阪にやってきた3人の会計検査院の調査官。彼らの仕事は、国から助成金を受けた団体や自治体が、その助成金を正しく使っているかどうかを調査することだった。メンバーは鬼の松平と呼ばれるリーダー(堤真一)と、仕事で時折とんでもない成果を上げる女性調査員ミラクル鳥居(綾瀬はるか)。そして、日仏ハーフのイケメンエリート・旭ゲンズブール(岡田将生)。
じりじりと暑い大阪の気候と、こてこての浪花気質にもめげず、予定の調査をキッチリとこなし続ける3人。次なる調査予定は、昭和の香りが漂う空堀商店街の近くにある財団法人「OJO(大阪城址整備機構)」だ。経理部長・長宗我部(笹野高史)の案内のままに調査を無事に終えた3人は、OJOの向かいにあるお好み焼屋「太閤」で、昼食をとることに。そこで携帯電話を忘れたことに気づいた松平はOJOに引き返す。
が、さっきまで多くのスタッフが立ち働いていた事務所内には誰ひとり居らず、不気味な静寂が漂っていた…。
原作は関西を舞台に不思議な世界を描き続ける万城目学。京都の『鴨川ホルモー』、奈良の『鹿男あをによし』に続く大阪のお話。大食いの設定のミラクル鳥居がお好み焼やたこ焼きを食べまくり、関西のオバチャンも存在感ばっちり。そして秀吉の馬印として知られる千生り瓢箪が大阪を埋め尽くす。あまりぱっとしないオチというか、エンディングではあったけれども、画面から伝わる熱い空気感は、何度か夏に旅した時の大阪を追体験するのにぴったり。「ありえな〜い」が見続けるうちに「もしかしたら、ある…かも?」という気持ちになってしまう暑い一本です。

鉄板にソースの焦げて晩夏なり いそひよどり
〈季語は「晩夏」(夏)〉
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


猛暑日に敢えて観たい・その1『クライマーズ・ハイ』で一句

2012/09/01 19:41
9月も残暑が厳しそうな予感。てなわけで、暑さをもって暑さを制する日本映画です。

『クライマーズハイ』(2008年公開)
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山付近で、ジャンボ旅客機が消息を絶つ。
地元の地方紙「北関東新聞」社は、全国区の三大紙に引けを取らない紙面を作るべく取材体制を整え始める。遊軍記者と呼ばれ、普段は政治部や社会部などの特定の部署に属さない悠木(堤真一)は、販売局にいる親友・安西(高嶋政宏)とロッククライミングに出かけるため駅に向かおうとするが、旅客機消息の情報を受け、新聞社に呼び戻される。そして、ワンマン社長(山崎勉)から全権デスクを任されるのだった。悠木の母は、社長のかつての愛人でありそのコネで採用されたため、同僚の中には編成局部長の等々力(遠藤憲一)のように、悠木に反発を抱く者も多い。悠木自身は、実は全国紙からもスカウトされるほどの実力があり、彼を慕うも者も多のだが、今回の全権デスク任命が、悠木を良く思わない記者たちとの溝をますます深めてしまいそうだ。
やがて事故の様子が明らかになり、史上最悪の航空機事故となりそうな気配が濃くなるに連れ、かつて群馬で起きたあさま山荘事件・大久保清連続殺人事件で得た手柄が忘れられない厄介な上司たちもいきり立ち、社内の誰もがクライマーズ・ハイにも似た、興奮状態へと陥っていく…。
限られた予算のなかで、事故現場の悲惨さを見せる映像が巧み。また、地方紙の記者の全国紙への屈折した思いや、新聞社の記者以外の社員たちの様子が人間くさく描かれ、どんな端役にも血が通い、それぞれの人生がある感じがする。
また、この作品は、個人的な記憶と重なる一本。というのも日航ジャンボ機墜落事故のあった当時、実家の墓が群馬県にあり、墓参りの間、その上空を自衛隊のヘリコプターなどが何度も行き交うのを目の当たりしてしまったからなのだ。坂本九さんを除けば亡くなったのは知らない方ばかりだが、今も8月12日の頃には、犠牲になった方々の冥福を祈らずにいられなくなるし、航空機事故が起きない事を願う気持ちになってしまうのだ。
最近、群馬県か、その近くで活動している俳句結社が「御巣鷹忌」を提唱していると知った。ぜひ、定着してほしい新季語である。

熱中症影の欠片もなき校庭 いそひよどり
〈季語は「熱中症」(夏)〉
※熱中症は、俳句座☆シーズンズで新季語として提案中です。

記事へナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


「『ダークナイト ライジング』で一句」

2012/08/17 07:59
ついに、クリストファー・ノーラン監督版の「バットマン」シリーズが幕を閉じてしまった。
前作の『ダークナイト』が凄すぎた。ジョーカー(ヒース・レジャー)よりもすごい敵役が生み出せるのか、脚本やキャラクター作りなどは本当に大変だったと思う。結果として新たな敵役は小粒だったし、ちょっと無理やりなストーリー展開には、苦心のあとがうかがえてしまうのは仕方ないことかもしれない。
とは言え、本作はバットマンの起死回生の物語。バットマンほどのスーパーヒーローが、汚名にまみれたままではシリーズは終われないのだ。
バットマン(クリスチャン・ベール)が、ジョーカーの巧みな罠にはまり、トゥーフェイス(アーロン・エーカット)の罪を代わりに被って警察から追われる身となって8年。ゴッサムシティには、平和な日々が続いている。ブルースは、バットマンの仮面をつけることもなく、心身ともに深く傷つきほとんど隠遁生活中。大富豪なので生活には困らないし、暮らしのあらゆる段取りは、執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)に任せておけばいい。が、そんなある日、ブルースの豪邸でメイドとして働いていた女盗賊セリーナ(アン・ハサウェイ)が、金品目当てではなく、ブルースの指紋の採取が一番の目当てだったとわかり、忘れかけていたバットマンとしての闘争本能に火を灯す。やがてその炎は、ゴッサムシティを脅かす新たな悪との戦いに向けて燃え上がることになる。
が、ブルースの一番の理解者であるアルフレッドは、隠遁生活を送るブルースを気にかけつつも、バットマンとして危険な戦いに身を晒さない日々に安心もしていた。そして、新たな悪に立ち向かおうとするブルース=バットマンを心配するあまり、ブルースと口論となり、ついに執事を辞してウェイン邸を去ってしまう。さらには、ブルースの所有するウェイン産業の経営が不振であることなども判明するのだが、ブルースは再びバットマンスーツに身を包む…。
主演のクリスチャン・ベールをはじめ、どのキャストもはまり役。あえて一人を挙げるならばアン・ハサウェイ。予告編ではキャットウーマンかと思ったけれど、セリーナは新キャラクターらしい。意外と人情派なセリーナは、日本的にいえば、おきゃんな役どころで、彼女にとても良く似合っていた。
ノーラン版「バットマン」はもうできないのだろうか。新作ができる可能性もちらとある終幕だったけれど、クリスチャンが年齢的にもう大変かも?とりあえずは、DVDの3部作ボックスセット待ちかなぁ。

古井戸に秋分の日の光射す 磯ひよ
〈季語は「秋分の日」(秋)〉



【初回生産限定スペシャル・パッケージ】ダークナイト(2枚組) [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2012-06-27

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 【初回生産限定スペシャル・パッケージ】ダークナイト(2枚組) [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



【初回生産限定スペシャル・パッケージ】バットマン ビギンズ [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2012-06-27

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 【初回生産限定スペシャル・パッケージ】バットマン ビギンズ [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


記事へナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


『ハンナ』で一句

2012/08/08 16:16
雪深い森の中。その雪景色に溶け込んでしまいそうな白人の少女が、一頭の鹿を射止めようとしている。
弓が心臓を外れてしまい、半死状態となった鹿に近づく少女。少女の名はハンナ(シァーシャ・ローナン)。
ハンナは「心臓外しちゃった」と一言漏らし、顔色を変えることもなく、拳銃で鹿の心臓を打ち抜く。
ハンナはCIAのプロジェクトによって誕生した。戦闘能力に秀でる半面、感情の起伏が少なくなるよう遺伝子操作されている少女だったのだった。
これまで父(エリック・バナ)と二人で暮らしていたが、「時が来た」と感じたハンナは、マリッサ(ケイト・ブランシェット)という人物に自分の居場所を知らせる装置を作動させ、あえてCIAにとらえられるのだった・・・。

ハンナは童話のヒロイン、ただし受け身ではない、であり、マリッサは、そんなヒロインを執拗に追う魔女そのもの。物語全体を覆うメルヘンと怖さの混じったグリム童話的な空気が魅力。ケミカルブラザーズの映画音楽が、その世界観に見事にマッチした一作でした。

朝曇川辺に集ふ女たち 磯ひよどり
(季語「朝曇」〈夏〉)


劇場で観て、WOWOWでも観て、やっぱりいいなあと思った一作。
そういう感動はやっぱ残したいなぁ…とつくづく思い、唐突&細々とブログ再開です。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 4


『トロン』で一句

2011/02/17 19:09
まったく更新してなかったけれど、年が明けて以来、映画はけっこう観ている。しかも、けっこうアタリ続きなのもうれしい限り
今年の初映画は『トロン』。なんとなく、3Dが売りの映画みたいで、気が進まなかったのだけど、3Dが売りならなおさら映画館で見ないと価値ないかな…的な気分でチェック。が、SF映画としてきちんと成立している一本だった。
で、変な話なんだけど物語がしっかりしていれば、2Dでも3Dでもけっきょく関係ないんだよね。SFの場合は、メカデザインなんかも完成度のポイントになるけど、そのあたりもうまかった。

未来都市未来のクルマ初映画 磯ひよ
〈季語は「初映画」(新年)〉


*「初映画」は俳句座☆シーズンズが提案している新季語です(一部歳時記には既に掲載中)。

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


『南極料理人』で一句

2010/12/14 00:20
最近、『トイレット』でも触れた、フードスタイリストの飯島美奈さんのファン。テレビドラマの「深夜食堂」もすべて録画済み。料理の映像をみているだけでうっとりと幸せな心地になる…。
そして、飯島美奈さんファン必見の一本といえば「南極料理人」だ。
舞台は1997年の南極ドームふじ基地。南極といえば昭和基地しか知らなかったっが、ほかにもいくつか日本の基地があるそうで、この基地は、南極大陸の高度4000メートルの地にある。たださえ寒い南極の高度4000メートルゆえに、マイナス50度は当たり前という、想像もつかない温度。ウイルスすらいない極地中の極地である。
隊員は、気象学者などの極地研究員と、彼らをサポートする車両担当や医者たち。そして、主人公の西村くん(堺雅人)は、海上防衛庁出身の料理人。基地での三度の食事を賄っている。人はどこに暮らそうとも、食事を欠くことはできないのだ。
水の原料はたっぷりある(氷ですね)が、とかさなければ使えない。食品保存は冷凍が原則なので、生野菜などの冷凍できないものは不可。もちろん材料がなくなったから近所のスーパーへというわけにはいかない。気圧が低いため、ご飯は圧力釜で炊き、ラーメンは芯が残ってしまう。しかし、時には以前の越冬隊が基地に残したままの伊勢海老を発見し、なぜか巨大なエビフライをつくってしまったり…。
西村くんは、船上の調理環境とはひと味もふた味も違う特殊な環境のなか、単に腹を満たす食事を提供するのではなく、隊員を喜ばせる食事づくりを、と奮闘し続ける。
一年以上にわたる越冬隊の様子を、笑いと、ちょっぴりのシリアス、そしておいしい料理たっぷりでつづる一作。日本の食環境の豊かさや、贅沢さについてもおのずと考えさせられる一作だった。

極点に最も近き聖樹かな 磯ひよ
〈季語は「聖樹」(冬)〉
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


『トイレット』で一句

2010/09/20 16:52
『かもめ食堂』(06年)が公開されたとき、何人かの方から「磯ひよさんぽい映画だね」と言われたことがあります。雰囲気のよろしい映画なので、言われてまんざらでもなかったものです。
『トイレット』は、『かもめ食堂』の監督・荻上直子さんの最新作。監督ならではのよろしい雰囲気に、さらに磨きがかかっておりました。
舞台はアメリカ(もしくはカナダ)。主人公は日本人を母に持つ、ロボットオタクの二男レイ。レイには、パニック症候群で引きこもり中の兄モーリー、ちょっと気が強めの妹リサがいます。父はすでになく、母も他界。そして、レイたちに残されたのは猫のセンセー、そして、母が日本から呼び寄せたばかりの母の母、つまりばーちゃんでした。
誰とも深いかかわりを持ちたくないレイは、一人暮らしをしていましたが、アパートが火事になり、仕方なく兄弟やばーちゃんと実家で同居することに。
ばーちゃんは、英語が全く話せません。しかも元々、他者とコミュニケーションをとるのが下手な3兄弟たち。レイはもちろん、他の兄弟も、ばーちゃんとの会話がはずみません。
でも、それなりにばーちゃんを気にしている彼ら。そして、レイは、毎朝トイレを済ませた後にばーちゃんが、長〜い深いため息をつくことに気付きました。溜息の原因を突き止めたいと思うレイ。そしてモーリーは、母の遺品であるミシンの使い方を教わるのをきっかけに、ばーちゃんとの距離を少し近づけることに成功。リサはある真夜中、ばーちゃんがエアギターのテレビを見ている場面に遭遇し、ばーちゃんがエアギター好きであることを知るのでした。
不器用ながら、少しずつ家族らしい絆が生まれつつあったある日、レイがこっそり行ったばーちゃんと自分のDNA鑑定の結果が届くのですが…。
荻上監督の映画には欠かせない、フードスタイリスト飯島奈美さんによる料理(今回は餃子)も、ばーちゃんと孫たちの絆を深める小道具として登場。そして、ばーちゃんを演じたもたいまさこは、今回も外国語が話せないのに重要なことは理解できる不思議な能力をそなえ、荘厳ささえ感じさせるたたずまいでした。あ、エアギター好きも『かもめ食堂』と同じですね。
自分自身も含め、世の中に馴染めないことにコンプレックスを抱いている人々を、そっと励ましてくれるような本作でした。

秋小鳥足踏みミシン手入れして 磯ひよどり
〈季語は「秋小鳥」(秋)〉

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


『トイストーリー3』で一句

2010/09/11 15:48
おとぎ話の世界を堪能した108分。
劇場内は、クライマックスで拍手が湧きました。
ややワンパターン化しちゃった?の印象も無きにしも非ずですが、1、2のレベルを毎回期待するのは、贅沢というものなのかもしれませんね。おもちゃは、子供たちと遊ぶことが最高の幸せという確固たる信念が伝わりました。
元からモノが捨てられない性格のわたくし。ます、ますモノが捨てられなくなりそうです。
ウッディたちがいつまでも幸せでありますように

月明や待合室のぬひぐるみ 磯ひよ
〈季語は「月明」(秋)〉
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


テレビシリーズ『ザ・パシフィック』で一句

2010/08/10 11:32
夕焼けて護国神社の裏しづか 飯田龍太

俳人の飯田龍太氏は、父・蛇笏氏の主宰誌「雲母」を継ぎました。たくさんの名句を残し、俳句史にしっかと名を刻んだ龍太氏ですが、ご当人としては、上のお兄さんが戦死や病死し、四男の自分が父の跡を継ぐことに複雑な思いもあったのでは?と時折考えてしまいます。
「日本の軍隊にも『プライベートライアン』みたいな仕組みがあったら(兄弟が戦死した場合生きている兄弟は、帰還させる)、龍太先生は「雲母」を継がなかったかもなぁ…。」
龍太ファンなので、そんなことはあってほしくないですが、ふとそんなことを思う8月です。そして、たとえ拙くても俳句で平和を願う気持ちを詠めたらな…と思うのであります。
『ザ・パシフィック』は、現在WOWOWで放映中のテレビドラマ。第二次世界大戦のなかの太平洋戦争を中心に描いています。製作陣は、スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクスなど、『プライベートライアン』に関わった映画製作者が中心です。
主人公のアメリカ人たちが戦うのは、太平洋戦争が舞台なので、もちろん日本人。だから「ジャップを皆殺しだぁ」といった、セリフも飛び出し心がざわつきます。対戦シーンでは日本兵(日本人が演じているかどうかは?)が殺され、戦闘後には、日本人らしき死体もごろごろ…。あれが自分の父や息子や弟だったらと思うと、さらに心中は複雑。ヨーロッパが舞台の戦争映画よりは、やや感情的にならざるをえません。
それでも、心底から怒りがこみ上げてこないのは、本作が、アメリカの正義や勝利を讃えるのではなく、戦争そのものの罪悪や悲惨さをテーマにしているから、だと感じました。
現時点で放映は4回目。まだ戦場シーンが多いですが、今後は帰還兵たちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにも迫るようです。
時代ともに、特に9.11以降は、戦争映画のテーマや描き方が、明らかに変わってきているような気がします。

終戦日路地に人影なかりけり
〈季語は「終戦日」(秋)〉


*巻頭句の季語は「夕焼け」(夏)です。

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


『インビクタス負けざる者たち』で一句

2010/05/29 15:16
世の中的には今、南アフリカといえばワールドカップサッカー?でも、あまのじゃくの私は、南アフリカといえばネルソン・マンデラ氏です。
人種間でのあつれきがひどかった国を、ラグビーのワールドカップ優勝によって一つにまとめようとしたマンデラ大統領とその側近、そしてラグビー選手たちのお話です。
実話です。びっくりです。
クリント・イーストウッド監督は、どんな重い物語や暗い内容でも、爽やかに仕上げてしまうところがすごいなと思いますが、これは原作自体が相当爽やかなせいで、爽快感120%でした。
マンデラ大統領は、27年間もの長い間、政治犯として自分を幽閉しつづけた白人を、赦すという大きな心を得ます。そして、幽閉の間、氏を支えたのが「インビクタス」という一篇の詩でした。
マンデラ大統領を演じたのは、モーガン・フリーマン。なりきってました。
今年、アカデミー主演男優賞を逃しましたが、これは既に彼が助演男優賞の受賞者だったことや、心情的に今年は別の男優へ贈りたい的なムードがつよかったことなどのせいで、彼の演技力のせいではありません。
エンドロールで本物のマンデラ大統領の写真が出てくるんですが、「ア、そっくりさん?」と思ってしまったのは、きっと私だけではないと思います。
残念ながら、今の南アフリカは、あまりよい状態とは言えないよう。ワールドカップサッカーを機会に、再び国が一つになることを目指してくれたらな、などと思う磯ひよなのでありました。

夏の霜一篇の詩を諳んじて 磯ひよ
〈季語は「夏の霜」(夏)〉
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


『アリス・イン・ワンダーランド』で一句

2010/05/19 08:50
五月の吟行で日比谷公園を散策してきました。
句材が豊富で困ってしまうくらい。でもやっぱり一番印象的だったのは薔薇でした。

さて奇才ティム・バートンの描いたアリス観てきました。2Dで。イマジネーション豊かなアタクシに立体映像は不要ですわ、ではなくて3Dが満席だったのよ。
初夏の季語で本作を詠むとしたら「薔薇」以外ないよなぁ
で、句としては、どうにもこうにも低レベルなんですが、こんな句できちゃいました
まっ、更新しないよりはましってことで…。
一見ひ弱そうで、実は頑張り屋さんなアリスが、微笑ましかったデス。演じたのはミア・ワシコウスカというこれから売れていきそうな予感の新進女優。この透明感をずっと保ってほしいです。
二人の女王役もナイス白の女王役のアン・ハサウェイなんて、特殊メイクいらずって感じで役にはまってました。
マッドハッターは、「ジョニー・デップが演らなくていいんでないの?」っていうくらい好演。
チェシャ猫は、実家に入り浸っているよそのお宅の猫「もうちゃん」にそっくりで可愛かったぁ
ティム・バートン監督やっぱり凄いです。

薔薇を散らして女王様のやつあたり 磯ひよ
〈季語は「薔薇」(夏)〉
記事へナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


『ハートロッカー』で一句

2010/03/27 13:21
こんなに手のひらに汗をかくなんて初めての体験。『ハートロッカー』です。何度も書いている通り、人一倍ビビりな性分のわたくし、イラクに駐留する爆弾処理兵のお話なんて緊張で心臓止まっちゃうかも、とビクビクしながら劇場に足を運びました。
なぜ、そんなにまでして観に行こうとしたのか?それは本作が今年のアカデミー賞で、監督賞や作品賞を受賞で、しかも監督賞は女性初というオマケ付き!恋愛映画や、華やかな物語ではない点も興味をそそり、なんとしても観たかったのです。
舞台は2004年のイラク。イラクに駐留するブラボー隊に、新たな兵士ジェームズ(ジェレミー・レナー)がやってきます。彼は爆発物処理を専門とする兵士で、今回もブラボー隊の爆弾処理兵が作業に失敗して被弾死したため、再びの現場復帰となったのです。
どこか型破りなジェームズは、相棒のサンボーン軍曹やエルドリッジとのチームワークが今いち。しかし、困難な爆弾を次々に処理してしまうジェームズ。ぎくしゃくしつつも日々、確実に任務をこなす彼ら。彼らの場合、任務に失敗すれば確実に死へつながってしまいます。爆発物処理には特別な訓練を受けた相当優秀な兵士が当たるそうですが、死亡率は他の任務に就いている兵士より圧倒的に高いそう。自爆テロといったニュースが今も少なからず飛び交っていることを思うと、イラクではこんな風に活躍している兵士が、今もいることに胸がふさぎます。
彼らが街頭で不発弾処理などをしていれば、野次馬が集まるのは世界共通。しかし、その野次馬が怖い。誰がアメリカの味方で、過激派が誰で、誰が敵だかわからないからです。
第二次世界大戦が終わった頃の日本にも、たくさんのアメリカ兵が駐留していました。そして、ときにはアメリカ兵が日本女性を暴行したり、あるいは怒りに暴走した日本人たちがアメリカ兵が嬲り殺した等の話も聞いたことがあります。でも、一方で「ギブミーチョコレート♪」的な前向きな話も沢山あります。
ところが、イラクではどうでしょう?イラクの人々はアメリカ兵を必ずしも快く受け入れていません。また、そうした街の人々の雰囲気が、アメリカ兵をますます恐怖心をかりたて、必要以上に凶暴なふるまいをさせてしまうのでした。
!attention!以下、ちょっとネタばれです
日々、死の恐怖にさらされるアメリカ兵。それでも彼らは平和のため?イラクのため?アメリカのため?に任務を続けます。そんな日々を乗り越え、ブラボー隊での兵役を終えたジェームズ。しかし、アメリカの平和な日々で彼が感じたものとは…。
本作は、予告編だけを観たりしていると、爆弾処理班の活動を描くハラハラ、ドキドキな映画のよう。しかし、実は深くて、重い人間ドラマなのでした。主人公のジェームズが、スーパーヒーローに見えないあたりにリアティがあり、ますます考えさせられてしまうのでした。

俳人に召集の日々冴返る 磯ひよどり
〈季語は「冴返る」(春)〉




記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


3D映画初体験『アバター』で一句

2010/01/30 15:37
『アバター』ね、ずっと観たくなかったんです…。
その理由第一位
3Dが苦手。随分むかし、千葉にあるネズミの国のアトラクションで3Dを体験。元々ビビリ体質の自分は、ショーの後半からほとんどパニック状態。それ以来、ワッと飛び出す画面が大の苦手となる。
その理由第二位
予告編を観ても惹かれなかった。SF映画に仕立ててあるが、アクション重視のお手軽ストーリーでは?と認識。
その理由第三位
同じく予告編を観て、異星人のナヴィが不気味。CG画像特有ののツルリンとした質感に爬虫類っぽい柄が、好きになれなかった。
が、以下の諸事情によりついに意を決して劇場に!
その理由第一位
監督がジェームズ・キャメロンだから。『エイリアン』、『ターミネーター』、『タイタニック』等など。この監督の作品で面白くないわけがない。監督を信じます!の気持ち。
その理由第二位
大好きな映画『トイストーリー』が3D映画になって再映されるという情報を入手。これはなんとしても3Dに馴れておかねばと焦りを感じる。そして映画好きとしても、もはや3Dは避けて通れまいと、悲壮な決意を固める。
その理由第三位
最近、通っている映画館の割引ディで時間帯の合う作品の中で、一番気になる作品だったという、ちょっと消去法的な選択。

で、結果、いやぁ〜〜やっぱり観ておいて良かったです。予告編では上手く伝わってない気がするけど、これはじつにしっかりした生きものたちのドラマ(ナヴィも関わるので人間ドラマとは言わない)。実に深くしかも正統派のSF作品であります。
他の星を侵略し、原住民を一掃してまで異星の鉱物資源を手に入れようとする地球人のエゴが描かれていました。
そして、そんな地球人の醜さをいっそう際立たせるのが、ナヴィたちの謙虚な生き方。同じ星パンドラに住む翼竜のような他の生きものをはじめ、食用にする生きものにも深く敬意を払いながら暮らしています。初めは気持ち悪いと思っていたナヴィの姿が、物語が進むにつれて美しいものに感じてくるから不思議です。
地球人がナヴィたちを侵略する姿は、かつて白人たちがネイティブアメリカンにしたのとまったく同じで、そういうアメリカの負の生い立ちを連想させるお話を、アメリカ人自らが映画にしちゃうあたりもすごいなぁと思いました。
さて、一番の不安材料だった3Dはというと…。劇場の入り口で専用のメガネを渡され、メガネをかけている自分の場合、メガネ・オン・メガネの姿がおまぬけだろうなあと上映開始前にプチブルー。しかも本編が始まると、頭囲が小さいせいもあり、手でメガネを支えてないと画面がきれちゃうので、ちょっと困りました。
が、映像そのものは、画像が飛び出てビックリということはほとんどなく、むしろ奥行きのある映像を楽しむことができました。水しぶきや火の粉といった繊細なパーツは見事に飛び出てきましたが、とても美しくてナイス時折、字幕まで浮遊しちゃうのには笑えたけど(もしやワザと?)「なるほど3D映画にはこんな表現の仕方もあるのね」と感心なのでありました。
主人公のジェイクを演じたサム・ワーシントンが、アバターの世界に生きる喜びを見出し、現実世界でドンドン痩せ細っていく姿も、すごかった。シガーニー・ウイーバーが出演していたのも嬉しいサプライズ。最初の登場シーンもポッド式のベッドみたいなところから出てくるところがでなんとなく『エイリアン』ちっくで妙に懐かしいのでありました。
ところで『トイストーリー』。きっとウッディやバズ達がビュンビュン飛び出てくるんだろうなぁ。まっ良いか
今回はどういうわけか顔文字たっぷりの文章でした。

青鷹なにか告げむと天を舞ひ 磯ひよどり
〈季語は「青鷹(もろがえりと読みます)」(冬)〉








記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 7


「『イングロリアス・バスターズ』で一句

2009/12/23 16:48
過激なバイオレンスシーンがいっぱいで「ひぃ〜〜」と眼を覆って字幕を観るだけということも多いのに、なぜか公開のたびに観ずにはおれないタラちゃんことクエティン・タランティーノ監督の作品。その最新作です。もちろんR-15指定。今回も「ひぃ〜〜」と眼を覆いつつ、観てまいりました。
第一章。舞台は第二次世界大戦中のフランス。ユダヤ・ハンターの異名を取るナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が、田舎のとある農家を訪ねている。この農家、実は床下にユダヤ人家族をかくまっている。ランダ大佐は、恐ろしい異名とは裏腹の穏やかな物腰で話し上手。しかし、その巧みな話術によって、床下にユダヤ人たちが潜んでいることを農夫に告白させ、一家をその場で銃殺してしまう。銃弾をまぬがれた娘ショシャナ(メラニー・ロラン)を除いて…。
ショシャナは、タラちゃんの前作『キル・ビル』で大活躍したユマ・サーマンに雰囲気がそっくり。しかも血まみれで逃走するところなんかも、彼の好みなんでしょうか。過激な復讐劇の予感です。
第二章。アドルフ・ヒトラーの元に“イングロリアス・バスター=名誉なき野郎ども”と呼ばれる連合軍の秘密部隊の手から逃れてきた部下からの報告がなされる。イングロリアス・バスターズのリーダーは、ユダヤ系アメリカ人のレイン中尉(ブラッド・ピット)。彼らは容赦なくナチスを暗殺し、殺したナチスの頭皮を剥ぐことを常としている。
嗚呼コワイ!ブラピが声も表情も作り込んで、老けた演技で役になりきってます。彼はつくづくイケメン役が好きじゃないんですねぇ。イケメンなブラピ好きのご婦人方はがっかりかもしれませんが、私はどちらかというとこういう挑戦的なブラピが好みです。
レイン中尉たちはフランスに潜伏し、今日も猛者の部下たちと、せっせと頭皮剥ぎ、もといナチス暗殺を続けています。一緒に観た家人いわく「死体(ナチスの)の頭皮を剥ぐシーンを、みかんの皮を剥いてるように淡々と見せちゃうところがイケてる」。そうなんです。だからかえって怖さが増すわ、面白いわの大混乱。
第三章。フランスのとある映画館。館主はミュミューという名の若い女性。ミュミューは、彼女に熱を上げるドイツ軍の若い兵士に付きまとわれ困惑の日々。しかしある日彼が、彼女の映画館でドイツ国威掲揚のための映画上映会をさせてほしいと依頼。ドイツの占領下にあるフランスで彼に逆らうこともままならず、ミュミューは仕方なく、ナチスの幹部たちが待つレストランへと挨拶へ赴くことに。その席には、ナチスの幹部ランダ大佐も在席していた。何となく様子のおかしいミュミュー。そう、ミュミューとは借りの名。彼女こそランダ大佐に家族を惨殺されたショシャナ。千載一遇のチャンスを逃がすまいと、自分の映画館で壮大な復讐を決意するショシャナですが…。
映画はどんな映画であっても、決して戦争賛美に終わってはいけないと思います。本作はタラちゃんらしい過激な表現も多く、一見、オモシロ戦争映画のようでもあります。真面目な人は眉をひそめるかもしれません。そして、おそらくタラちゃん自身も、戦争反対ということを生真面目に訴えようなんて少しも思っていないはず。たとえ思っていても口には出さないかも。
しかし、彼は怒っているのです。彼がこの世で最も愛する映画を、ナチスがプロパガダに使ったことを。ナチスは実際にたくさんの国威掲揚映画を製作し、レニ・リーフェンシュタール監督などの才能を見出しましたが、洗脳の意図をもって映画を利用したことは明らかです。
『パルプフィクション』や『キル・ビル』で描いたパーソナルな復讐劇から、思想としての復讐劇へ。彼らしい視点によって、見事な反戦映画に仕上がっている…なんて思ったのは私だけでしょうか。

十二月八日地球儀をひと廻し 磯ひよどり
〈季語は「十二月八日」(冬)〉



記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


「『THIS IS IT』で一句

2009/12/05 14:06
特別なファンというわけではなかったけれど、予告編を観て「コレは観ておくべき!」と直感。マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』。
本作を観るまで、マイケルの歌もダンスも、そして存在感にも現実味が無いというか、凄過ぎて本当の凄さが良くわかってかなったんだなぁとつくづく実感。キング・オブ・ポップのキング・オブ・キングたる姿を堪能した。
幻となってしまったロンドン公演のリハーサルのドキュメンタリー映像には、リハーサルだからこそ見ることのできる、人間マイケル・ジャクソンの姿が。でも歌とダンスはほぼ完璧。足の動きも、ステップも、シャウトも、ハミングも、本当にかっこよかった。
観ている間、劇場のシートがやたらと揺れたのがちょっと泣ける体験。たくさんの人が映像と一緒にリズムをとっていたからだったのである。それに映画が終わったあと涙を流しているが、あまりにも多かったのも印象的だった。
亡くなることによって、より多くの人(自分みたいな今まで熱烈なファンでなかった人)にその素晴らしさを知られることになるなんて皮肉だけれど、それもまたスターの証なのかもしれない。

リハーサル熱気を帯びる師走かな 磯ひよどり
〈季語は「師走」(冬)〉


記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3


アメリからココへ『ココ・アヴァン・シャネル』で一句

2009/10/28 19:38
オープニング。キャストや監督を紹介するするテロップがフランス語であることに安心する。やはりこの人の人生を描くならフランス映画でなきゃ。この人とは、ココ・ガブリエル・シャネル。ココを演じたのはフランス女優オドレイ・トトゥ。『アメリ』で魅せたオタク系乙女がココになりきっていて圧巻。
映画を観終わってからも、「これはフランス映画製作で正解」とあらためて納得。なんというか、現代の日本人にはなかなか理解しかねる、フランス的価値観がいっぱいだったのだ。
例えば、若き日のココ(オドレイ・トトゥ)が、歌手を目指していた頃に出会った貴族のエティエンヌ。彼には莫大な財産があり、働く必要がまったくない。働くという行為をさげすみ、自分自身は取り巻きや愛人と、いかに楽しく遊び暮らすかだけを考えている。住まいだって本物の城だ。
ココもエティエンヌと行きずりの恋に落ち、その後おそらく大して彼を愛してもいないだろうに、彼をたよって押しかけ愛人というか居候をきめてしまう。この自己主張の強さ、厚かましさも「ええっ?」という感じだったが、「フランスならOKかも」と妙に説得力があり、納得してしまうのだ(この強さはココの個性という気もするが・・・)。
「あと3日で出て行けよ」のなんのといいながら、ココの居候を許してしまうエティエンヌ。ココは貴族の女性が着る窮屈なドレスを嫌い、エティエンヌのジャケットを勝手にリフォームして自分の乗馬用ジャケットにしてしまったりと、観ている方がぎょっとすることもやってしまう。が、そうしたココの生意気な物言いやユニークな言動は、いつのまにかエティエンヌの心をしっかりつかんでしまう。そして、城に出入りする女性たちの間でもココの作る洗練されたデザインの帽子が評判となる。上流階級の人々や女優と交流することにより、ココの中に眠っていた鋭い感性と才能が徐々に花開きはじめる。
ココが本当の恋に落ちたのもエティエンヌの友人だった。男の名はイギリスの実業家アーサー・ボーイ・カペル。働くことのを尊さを知っており、あらゆる価値観がココと一致することもあり互いに強く惹かれあってゆく。しかし、事業での成功を目指すアーサーは、大企業の令嬢との政略的な結婚を決めているのだった・・・。
嘘のようにドラマチックな人生。しかしこれ等のエピソードは本当にあった出来事ばかり。ココ・シャネルという人は、デザイナーとしての偉業はもちろん、その人生までもが歴史に刻まれるように生きた人のように思えて仕方がなかった。

身に沁むや夜のアトリエに絹を裁つ 磯ひよどり
〈季語は「身に沁む」(秋)〉

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


『くるねこ大和』で一句

2009/10/02 20:09
今回は番外編。映画ではなくブログです。

現実逃避したいとき、ついつい見てしまう猫ブログ『くるねこ大和』
ブログを元にしたコミック本も大ヒット、近畿地区ではアニメも始まりました。
ううっアニメ見たいよぉ〜〜。
猫ブログの中には、飼い猫の可愛さアピール中心のものが多いように思いますが、
くるさんのはひと味違います。
とにかく笑える!カワイイ!そして、猫を飼ったことのある人ならだれも
「ある、ある、うちの猫もこんなことする!!」のあるあるネタで共感できます。
そして何より、猫かわいがりでなく、大切な命として扱ってる感じがひしひしと伝わってきます。
里親募集の協力などもされていて、本当に頭が下がる思い
ワタクシは近所で猫を餌付けしてた家が、猫をほったらかしのまま引っ越してしまい、
すごく悲しい気持ちだったけど何もできなくて、
自分のふがいなさにけっこう滅入っていただけに、尊敬の念もひとしおです。

猫好きの方、そして猫を飼いたいという方(但し大切に飼う決意のある方)も
ぜひぜひアクセスを。

窓辺より猫動かざる野分かな 磯ひよ
〈季語は「野分」(秋)〉


コミック本もおすすめ

くるねこ
エンターブレイン
くるねこ大和
ユーザレビュー:
可愛い、面白い、ちょ ...
猫好きには分かる私自 ...
泣けちゃいましたくす ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ


記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


ハンガリーから来た映画『人生に乾杯』で一句

2009/09/14 20:30
東欧の小さな国ハンガリー。主人公は老夫婦エミルとヘディ。今から50年ほど前、ヘディは伯爵令嬢という地位を捨て、労働者階級のエミルと駆け落ち同然に結婚。しかし、今の二人はどこか冷めている様子。そんな二人のもとへ、ある日借金取りがやってきます。どうやら現代のハンガリーでは、東欧革命などの影響もるらしく、年金だけでお年寄りが生活するのには、かなり無理があるようです。
返済の替わりに、貴族令嬢の誇りともいえるダイヤのリングを差し出すヘディ。それに衝撃を受けたエミルは、愛車チャイカに乗り家出を決行。そして、ギックリ腰をものともせず、銀行強盗という暴挙に及びます。ニュースでそれを知り、警察に協力しようと思うヘディですが、いつしか、エミルの大胆な行動に心のトキメキを感じはじめていたのです。それは二人の間に起こったある事件以来、忘れていた感情でした・・・。
老人夫婦の愛と笑いの逃避行。腕っ節はたちませんが、なぜか強盗は成功を重ねるばかり。そして、二人の行動はいつしか、国の年金制度に不満を抱える人々から支持されるように。また、二人を追う敏腕女刑事アギと、彼女の部下であり恋人でもあり、ちょっと不器用なアンドルの心にも影響を及ぼすようになっていくのです。
日本からは遠い遠い国だけど、人が人を愛する気持ちや人を思いやる気持ちは日本人とまったく同じ。とってもあったかな気持ちになることができる一作でした。
東京公開は6月で、実は私が観たのも7月頃のこと。でも、評判が評判を呼び、今も細々と地方巡回中の模様なので取り上げてみました。詳しくは公式サイトへ!

秋彼岸夫婦茶碗を重ね置き 磯ひよどり
〈季語は「秋彼岸」(秋)〉

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


ついに完結『20世紀少年』3部作

2009/09/12 12:58
とにかく更新!書くことに意義があるのだ(かも)そんなわけで、ショートバージョンです。
観終ったあと、まず思ったのは「ついに終った」という感慨でありました『20世紀少年-最終章-ぼくらの旗』。
でも、映画としては、第一章、第二章の方がおもしろかったかなぁ。まっ、前作までを観ていて最終章を観ない人はそんなにいないでしょうから、3部作まとめて、日本映画でもこんなにスケールが大きい面白い作品できるのだなと、思えたことが嬉しかったです。
監督や原作者は物語後半のコンサートがクライマックスみたいなこと言ってたけど(主要製作陣は、ロック好きな方ばかり)、私にはピンと来ず残念。このシーンについては、好き嫌い分かれそうな気がしました。
私的には、やっぱり“ともだち”が、なぜ“ともだち”になったのかについての映画オリジナルの謎解きがけっこうよかったです。
拙句は、私がクライマックスだと思ったシーンから。巨大ロボットが登場して2017年の東京を暴走しまくるなか、
ともだちが再現したと思われる秘密基地を踏むまいとする姿に感動しての一句であります。

秘密基地守るごとくに昼の虫 磯ひよどり
〈季語は「昼の虫」(秋)〉


記事へナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


続きを見る

トップへ

月別リンク

映画で一句!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる